18年ほど前から田植え作業に関わってきた。
田んぼに足が吸い込まれそうになりながら、3から4を束にして間隔を空け植えていく稲。
植え終わった稲が風を受ける様は、各々が喜んで踊っているように見えた。
日本人の稲作のルーツとされるのが、沖縄の久高島だ。
その近くの糸満には、ひめゆりの塔があり、
我が国で唯一地上戦が激しく行われ、多くの悲しみの歴史がある。
カチューシャやエイサー(舞)は、辛苦を乗り越える歌の振り付けにもなっている。
吉野家などで白米を食べている多くの若者は、ごはんがどうやって出来ているのか、
稲穂と天地の目気味の関係や動きなんて、恐らく知らないのだろう。
月の輝き、日没の輝き、星空もどよめく雲も、みんな知って育つ稲穂。
地上でまたも愚かな戦争が起きているが、今年も元気に育って、良い風を受けて舞ってほしい・・
そんな思いから描いた。