『難転の空』いちまいの絵12月

『難転の空』Sky of nandina(Turn around)
交響(多種)水彩 380mm×270mm

冬に赤い実を輝かせる南天は、

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古くから「難を転ずる」縁起物と珍重される。
世界的に「難儀の年」となった2020年だが、
来年は「好転する年」になってほしいと願う。

暖かく染まる丸い実の一つ一つが、
安らぐ世界の一人ひとりに思えて描き進めた。

人は、触れ合うこと(握手、マスク無しの肉声、ハグなど)で、
交友が深まるものだが、
残念ながらそれらをすべて阻止するのが、
新型コロナ感染防止対策の基本だ。
ともすれば希薄・排他的になりがちな寒々とした空気が、
社会に広がっている。

明日の希望を胸に、暖かく朱黄に輝く空へ、
南天を難転として」輝かせたいものだ。

実際、南天は薬効としても、鎮咳、解熱、健胃の成分があるので、
コロナ禍でも意義がある。

連日、高齢者はリスクが高いとばかり報道される。
私には偏った、強調しすぎの風潮に感じるので、
寄り添う白髪の夫婦を、
心の熱い南天の実として描かずにはいられなかった。

初めての、祭囃子と太鼓の聴こえない秩父の師走。
皆様、どうか良い年をお送りください。