コロナ禍となって三年近く、
かつての子供たちの熱狂・歓声も、めっきり少なくなった。
終わらない戦争、物価高騰など不安要素は増すばかりだ。
それでも子供達には「はじけて」ほしい。
「精いっぱい走ってほしい」。
「思いっきり声を上げてほしい」のだ。
実の先端が王冠を思わせることや粒が多いことから、
ザクロは多産や豊作をイメージする果実として珍重されてきた。
実際の栄養素も豊富だ。
運動会というと、万国旗が飾られ、リレーや100m走などの競技が必須だが、
ゴールのテープを切るのは、特定の国の子供ではない。
どこかに入れようかとも思ったのだが、
説明的になりすぎるので止めた。
結果的に、黄色と青が多い画面にはなった気がする。
実は13年前に一度カタチにした作品だが、
どうもなにかしっくりとこなかったので、
額装して個展会場で飾ったことはなかった。
先月ある方から「庭のザクロ・・絵のモチーフになるかと思って」と渡され、
ようやく、自分のオモイが入った作品として完成することができたのだ。
子供たちの躍動感、前に進む、はじける・・、
自分がザクロから得た生の印象を優先して仕上げた。
心から感謝している。
【くす玉ザクロ】
The pomegranate bursts with energy,
like the Kusudama ball at a sports day.