月の額縁



その夜
月は、額縁を探していた。

普段は
自由に
軽装で
どこへでも
雲の船に乗って
旅をしているのだが

もう 歳なのだろうか

たまには
額縁の中に入って

落ち着いてみたい

これはどうだろう

あるいは
これは

やっぱり
よそう

変に収まって
デザイン的には良いけれど

こんなのは
私じゃあない。

きっと
あなたの絵にも言えるよ

落ち着こうなんて
収まるような
額縁にぴったりくるような
絵を描いちゃあいけない。

そこからはみ出るような
そんな絵を描かなくちゃあね。