【アルプカーゼ】 ALP KASE
キャンバスにアクリルなど多種水彩。P80号
延齢草所蔵
長野県下伊那郡大鹿村に、スイスを想わせる風景が広がる。
雄大な山並みを包み込む雲の動き。
標高1000mの地に山羊を放牧し、揺るぎないチーズ造りをしてきた人がいる。
21年前に訪れ、その雄大さに感動し幾多のスケッチから生まれた絵だ。
アルプカーゼはスイス語でALP KASE アルプスのチーズという意味。
これほどの美味しいチーズを、私は国産で食べたことがない。
朝搾りたての山羊乳は、まったく臭みがない。
残念ながら昨年でチーズ造りを終了したが、
延齢草(木造中学校舎を自費で移築し宿泊施設とした)は健在。
オーナーの小林俊夫さんと先日久しぶりにお会いできた。
青木連さんとの二人展「木霊する ブナの元で」のご縁だ。
大鹿村は現在、リニア新幹線の工事で山々に穴をあけられ、
美しい風の谷の存続が脅かされて、姿が一変。
本当に心が痛む。
こうした暴挙は必ずヒトに却ってくる。
20年前に描いた絵だが、近いうちにまたここを描く強い予感から、
ここに掲載したいと想った。