コング鬼と節分草の少女

【節分草と赤鬼】
Evanthis pinnatifida and red ogre.



節分の時期に咲く日本固有種の花「セツブンソウ」。
その花が少女となって、節分の赤鬼の手のひらにいる。
花言葉は「微笑み」だが、赤鬼は烈火のごとき表情で
「俺から逃げたら許さんぞ」と睨んでいる。
キングコングと囚われた女の図式。
鬼が連れてきた空に舞うのは、暖かさではなく雪の結晶。
少女が生み出して空に飛ばすのは、たくさんの節分草だ。

ウクライナに咲く花も人も地も、
巨人の鬼のようなロシア軍によって踏みにじられ破壊され続けている。
それゆえこの絵の少女も黒髪ではなく描いた。
たくさんのセツブンソウ「英名:春を呼ぶ花」の気流(スピリッツ)に、
驚いたようにも見える赤鬼。豆の代わりに投げられた花に改心して、
「鬼は外=撤退」してほしい。
戦火の空、凍り付く空ではなく、
人々の暮らしに平和と安全安心の「春」を戻してほしいと切望する。

#今週の香本博