寒月に思うこと


整理していて写真が出てきた。
個展の最初の頃、会場で撮ったもの。
この絵『寒月(かんげつ)』は巣立った。
観てくださったお客様から後ほど電話があって
あの絵良いですねえ、いただきたいですと言ってくださった。
私が人形町や新橋で、夜中に居酒屋で働いて
午前1時頃帰宅したときに見た月に心動かされ
夢中でスケッチして描いたものだった。
技術的にも色々な面で、意見も出る絵ではあるだろう。
しかし、それ以外の面・・それが私が思う『絵というもの』の確信なのだ。
ムンクは、受けを狙ったり、注文されたからではなくて
自らの背負っていた心の闇に苦しんでいたと思う。
今、大金で取り沙汰している人々は
けっして『叫び』という『絵』に感動しているのではなく
商品価値に動いているのだ・・
絵の宿命ではあるかもしれないが・・・
『寒月(かんげつ)』は、お渡しするまでに。、記録写真を撮るのを忘れていたら
写真をやっている個展リピーターの方が
撮影してくださっていたものを分けていただいていた。
感謝。