借金ゼロ生活の勧め・・人として、画家として


昨日ようやく私も 身の回りの借金がゼロとなって
晴れて自由の身となった。
絵を描くのに伴って、生活を営むための費用の捻出
私を含む家族の医療費など様々な急な出費で
クレジットが役立った。
しかし、使用しなくても年会費などが取られる
クレジットなんて入らない方が良い。
今後は、さらに知恵を持って 貯金なども考えて
絵を描く人間として 立ち回らなくてはいけない。
たいていの場合に存在する過払い金・・本来払う必要の無い金
そのために苦しみ、自殺までする場合がある。


思えば、地元の“画家を自認する人”に金を用立てた頃は
千円でも出費したくない借金の厳しい時期だった。
あの絵描きは金に汚いよ という噂は耳にしていたが
噂は陰口であって するべきでないと思った。
『ようやく自分が人を愛せるようになった。まともに暮らすために
一生懸命に働くよ。とりあえず都心に行って絵を売るよ、
そのための交通費などで金を貸して欲しい。来週には返すよ』

彼の心が、そのように人を愛する方向に向かったことが嬉しくて
信じて渡したが、金は二度と帰って来なかった。
そればかりか、会うことがあっても謝罪もせず
白々と平気な顔で“よう”などと挨拶し、影で私の絵を中傷した。
平気でシャアシャアと嘘が付けて、平気で人を中傷できる心
その同じ心で 絵と呼べるものが描けるだろうか?
私には逆立ちしても不可能なことだし
描く動機が理解できない。でももう仕方が無いのだ。
彼と彼の口から出る嘘を信じた私が馬鹿だった。
そのあと、彼に借金を踏み倒された人の話を実際に数件聴いた。
そんな非人行為で人を苦しめて、副職を持たないから画家ですなどと言えるはずがない。
私は自分の絵が心からのものであることを守るためなら
どんな重労働で油と汗にまみれてもいとわない。
でも、自分が加害者でなく被害者で、人間としてはまだ良かった。
画家は、絵描きである前に まず 心のある“人”であるべきなのだから。



借金ゼロになった今、私は思う
自分を縛るもの、自分の重荷を軽くすることが
本来の ひと のあるべき姿なのだ。