田中一村さんの大志


私が一村氏を知ったのは、少年の頃から通っていた
ある画材屋さんと再会したときのことだ。
純粋に絵を描き続けることと
職業画家と
プロとアマチュア
いったい何が違うのか という話をしていたときだ。
野心 とは、純粋とは一線を画して語られるものだが
純粋に描こうとした数々の作家・・
ゴッホや一村さんでも、きっと本音は
ライトが自分に当たること、有名になりたいという
自分の奥にある本音と闘い
どろどろしていただろうと察する。
だからこそ、志を体現するかどうかは
絵だけで食べれたかどうか よりも
私にとっては、本当のプロか、本当の画家かに
匹敵することなのです。

画材屋さんを通して一村さんを知った直後に
そごうに行って拝見し
この言葉・・まさに自分が常々心で語っていた
そのままを書いてくれていた言葉を目にしたとき
目頭が熱くなりました。
それを先日、奄美でも見ました。


えかきは我がまま勝手に描くところに 絵描きの値打ちがあるので
もしお客様の鼻息を窺って描くようになったときは
それは生活の為の奴隷に転落したものと信じます。

これは、注文にまったく応じないと言う意味ではないでしょう。
一村氏も時折描いてはいますが、この心情、新年を まず第一にしている
彼のような魂の生涯を送る作家を、
私はほとんど知りません。
自分も、そうありたきと歩んでいるつもりです。

[昨日の断片]131030