『土の香り 薄萌え出』2023年11月いちまいの絵

 

秩父大田を歩いて、ふと立ち止まる。鼻を衝く土の香り、
紅葉の破風山を背景に、流れる雲の青い影に染められたススキ(薄)に魅了されたからだ。
私は素足で土を体感したかったので靴を脱いだ。
むあっと萌出(もえいで)るような、
 生きた 大地の 呼吸と共に、私も息がしたかったのだ。
その体感を何とか表現したかったので、
行きついた紙が、坂本直(紙舗 直)さんが、
ネパール産のロクタというミツマタ科の繊維から作った「ロクタ紙」だった。
叩きこむようにしないと筆が進まず、色も伸びない。
ファンデーション(下塗り)をして墨やあらゆる挑戦をした。
吉祥寺ギャラリーで初展示した際、
白いススキを青で描いちゃダメでしょとか、
なんでこんな紙に描いたのとか揶揄されたが、
私はこれからも自分の感動を率直に表現したいと思う。
『土の香り 薄萌え出』2023年11月いちまいの絵 
The scent of earth, the light budding pampas grass, and the blue shadow.
ロクタ紙に多種水彩
660×1000mm(額寸込) #hiroshikomoto #こうもとひろし