【航路】いちまいの絵 2022年6月

自分に見えてくる大気や空間の粒子のようなものを、
少しづつ書き加えて、3年がかりで海に置き換えて完成した絵。
宮尾登美子の小説で櫂(かい)というのがあったが、
櫂とは舟を漕ぐオールのことだ。彼女の付けた題名は、

「櫂(オールを自在に操る)は三年、櫓(ろ・・矢倉作り)は三月」

という格言から来ているそうだが、
人生はまさに、道の無い航路を櫂で漕いで進むようなもの。
何が待ち受けているのか、
見えているようで見えていない(粒子のきらめき)に満ちている。

どんな困難や気落ちする状況にあっても、
漕がなければ停滞する・・いや、
波にさらわれ意図しない処に連れていかれて、
航路を見失ってしまう。
だから漕がなくては!
漕ぐ気持ちになれなくても、漕ぎ続けなければ!

海(前途)は、こんなにも広く、
未開の未知そのものなのだから。

 

【航路】 

紙に交響(多種)水彩。330×240mm(額寸含まず)
Waiting for the sea route.

www7b.biglobe.ne.jp

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