塵芥(ちりあくた)の海の先へ #今週の香本博へ

【芥(アクタ)の先】
To what lies beyond the fragment and dust.

和紙と水彩紙に多種水彩、木炭など



約4年前に制作し始め、幾枚かの和紙を貼ったり塗り込んだりした作品。
全面が鈍い青系の中、浮き上がった異種類のかけらたち。
うっすらとそこだけ疑似金粉で輝かせた。

自分は持病の痛みで周期的に、意識が高架下のトンネルのように
騒がしく「塵尻に」なる。
半世紀以上、こうした「芥」「まとまらない断片」の海を進んでいる・・
そんな感じを生活の中で繰り返してきた多くの時間たち。

塵芥も「失敗のかけらたち」も、元は自分の一部。
だからこの「脳内」という海を漕いで進むしかない。
芥(アクタ)の先に、希望や展開を信じて。

東日本大震災で流される家などの光景と重なった。
全国で個展を開催してきたので、自分の絵も流されていると思った。