『居場所の炎』いちまいの絵2月

本家ホームページ2020年2月 いちまいの絵

『居場所の炎』
紙に交響(多種)水彩
400×300mm

f:id:artkomoto:20200202224956j:plain

いのちを燃焼させる(寿命を全うする)・・、
樹の命が酸素を供給しなければ、人間は死んでしまう。
森の命が育む動物たちの命・・私たちとの恩恵の巡り。

森に昔から代々住む動物たちが今まで通っていた森に、
その樹を伐採加工した垂木が敷かれ、
鉄のレールが我が物顔にのさばり、命の危険に遭遇する。
自然界は誰のもの?人間は地球の支配者で、他は下等動物?それは奢りだ。
昔は森を守る人がいて、その年に切って良い木は決まっていた。
森には「もののけ」が住んで、お互いの住処が尊重されていた。
もちろんマタギはいて、猟もされていたが、今ほど節操のない状態ではなかった。
2年ほど前に描き始めた絵が、ようやく筆をおけた。
その間に、この絵のテーマに根が同じ大事故が発生した。

オーストラリアで昨年からなおも修まらない森林火災・・、
森にする動物たちの絶滅が危惧される事態になっている。
放火容疑で180人以上が逮捕されたと報じられているが、
昨年から5か月経った今も消化できない理由に、
地熱が近年最も高いことを(温暖化を理由に)あげている。
であれば、居場所を無くさせ、命を奪ったこの火災は、その見地からも人災だ。

聖書によれば、ノアの洪水以降、人は動物を食用にして良いとされたが、
命を軽視しても良いということではなく、感謝が求められた。
地球は生き物が上手に共存(敬う)する道を探り続けなくてはならないし、
それが人間の役割ではないだろうか?

木炭を使って左右の樹を描いた・・樹から生成したものが一番合っていると感じたから。
鹿の子供が母鹿の乳を吸っているように描こうかとも思ったが、
遠景がすっきりしなくなったので、やめた。