今月の いちまいの絵 山道

本家ホームページ『風と五感の絵画作家』
いちまいの絵 2月がアップされています。
昨年、宝登山を登った際の山道で感じた
印象のひとつが、ようやく形になりました。


風景画を進めていて時々
なぜこの風景を描きたいと思ったのかと
立ち止まることがある。
そう、それは自分が何故
切り取ったこの瞬間を美しいと思ったのか
ということと同じだ。
そこで自分は何を見、感じ、インストールされたのか・・

この絵の山道を歩いたのも、1年くらい前だ。
空は凍るように寒く、澄んでいた。
日差しを受けると温かく嬉しかった。

この独特の立ち並ぶ木々
その光と影のコントラストが
描きたい理由だったのだろうか?

集中して、自らに問いただすように描き進めると
わかってきた。
氷のように張りつめた空に、ヒビと亀裂を入れて
春に向かって溶かそうとするかのような枝たちの
重なり合ったライン
道に降り注ぐ様々な光のプリズム分解で騒ぎ立つ色たち
木々からの影が右と上にあり
左の木々からも交差する影たち

だから私はここを通ったときに
心地良さに はっと思ったのだ。

色、ライン、多種多様な要素
これは自然界に普通にある美しき現象なのだ。
よく誘いを受けるが
鈍感な私は、時々しか立ち止まれない。
今年も登ってみたら
また別のお誘いを受けれるかもしれないな。