【紅の風】いちまいの絵 2019年6月

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広大な敷地に植えられた赤いポピーが絨毯のようだ。
高原というロケーションゆえか、
「天空のポピー」という名称の観光地となっている。
圧倒される光景だが、なぜか何年も筆が進まなかった。

先日、山猫軒個展搬出の帰路で、ここを通った際に、
ようやく、自分が何を描きたかったのかがわかった。

高原を滑る風で空と雲が動き、
紅の花が潤っている・・その広大さ。
全面が赤のポピーで染められる・・そんな不自然な光景ではない。
そこには新緑の様々な緑も、多様な青に煙る山々もある。

高原に命が躍動している中に「新参者」のポピーたちが加わって、
壮大な風景に包み込まれていく。動いているのだ。
自分はそこに感動して、描きたいと思ったのだとわかった。

今後も「目先や当たり前の想定という雑念」に捕らわれず、
自分の心と五感を信じて、自らに正直に描いていきたい。

画像では、人物の赤が強すぎて顔が隠れているが、
現物を見てほしい。

【紅の風】 紙に交響水彩 300×400mm(額含まぬ寸法)