ピアニスト佐藤まゆみさんのコンサート

昨日の午後2時から、個展開催中の大月のレストラン・アダージッシモで
佐藤まゆみさんのサロンコンサートがあった。
8月初めに打ち合わせのために会場に来られた佐藤さんが
私の作品を御高覧くださり、蛍リバーに感動してくださった。
光栄にもコンサートの拝聴にあずかることになった。

ピアノの奥の壁面に『黄身日暮れ』
ピアニストの向かいの壁面に『蛍リバー』を展示したのだが
とても喜んでくださった。
小さな会場とはいえ、充分な準備をされた演奏プログラムは
熱気と音楽に対する真摯な姿勢が伝わってきた。

作曲家ロベルトシューマンとピアニストである妻クララとの間に
交わされた愛の書簡集(結婚に至るまでの手紙を翻訳して
日本語で朗読)とその作品を組み合わせたオリジナル作品は
初めて聴くもので、見聞を広めたと言うよりも
人が人を愛すること、人の生々しさ、人の心に正直に向かう尊さ・・
こうしたものが、佐藤さんの演奏と白須ヒロミさんの美しい歌声によって
表現された。


寺島 尚彦(てらしま なおひこ)さんが作った『さとうきび畑』を
私は初めて聴いたように感じた。
正直、森山良子さんの歌の高いトーンと唄いまわしが 
この歌に、より悲壮感を漂わせているように私は感じて、苦手だったのだ。
昨年、沖縄の糸満の近くの南城市の4箇所で個展を開催したが
この歌は、気持ちのどこかで『もうそれ以上言わないでくれ』と感じた。
しかし、昨日の演奏と歌で、初めて素直に、静かに心に入って行った。
同じ曲なのに、なんと不思議だろうか。寺島さんに会った気がした。


最後は故郷(ふるさと)で締めくくられたが、
私を紹介してくださり、蛍リバーで受けた印象を含めて
編曲してくださったことも話された。
ここで個展を急に開催することも偶然の出会いだったし、
昨日の 佐藤まゆみさんとの出会いも偶然だった。
でも全てが、私の絵を観てくださったことから始まったことが
何よりも 私には嬉しいことなのだと思う。