本家HPいちまいの絵『幸福の15分間』

本家ホームページの いちまいの絵 2008年6月が
更新されています。
『幸福の15分間』個人所蔵

家の前の敷地内に井戸がある。
今は使っておらず、トタンで蓋をしている。
その周辺の土を入れ替えて花の種を植えた。
2年目の今年も、チューリップが咲いてくれた。
地中で着実に『息をして』『継続して』育って
地上で咲いた花だが、近くのブロック塀などに囲まれて
一日の内わずかしか直射日光が浴びれない。
でも、そのわずかの時の彼女たちは至福の輝きを放っているようだ。

エデイット・ピアフが、こんなことを言ったことがある。
彼女を羨望するインタビュアーから
『あなたの人生は幸福でしょう』的な質問をされたときだ。
『人生は辛いことが多くて幸せではないでしょう?でも
一日の内15分間くらいは幸せね』
体の苦痛に打ちのめされながら、歌に希望を見出した彼女。

冷たく無機質なブロック塀や高い家に、
一日の内の多くの時間の陽をさえぎられても、
24時間まるで不幸な訳ではない。
今年も咲いて日を浴びるチューリップを見て
そんな思いを注入されて描いた。
少しコケのある湿ったブロックが
自分の感じた色やイメージで思い切って描けたと思う。