兎は月でついた餅を食す。

東京八重洲の老舗ギャラリー T-BOXで12月9日から初公開の  #今週の香本博 85作目【兎年の正月】New Year of the zodiac rabbit
来年2023年の干支は兎。ならば兎がせっかく月でついた餅を、
正月に食べない手はない。月に橋木をかけて、ウーバーイーツより安全に、息子に手渡ししてくれる。鏡餅も準備万端。七輪で餅を焼き、お屠蘇を呑んで年越しを祝いたいものだ。
22年前秩父に移住して驚いたことの一つが「月の見え方」だ。
その色の豊かさ、大きさに加えて「兎が杵つきしている様に、本当に見える」ことだ。無論子供の頃から、そのように言われるのは知っていたが、子供だましくらいに思っていた。見えなかったからだ。秩父の澄み渡る空気のせいか、光のプリズムの変化の成せる業か、こちらで実際に臼と杵で餅つきしてきた経験からか、
 兎が餅つきしているようにしか見えないのだ。多分いにしえ(古)の人々の目に見えたのに、近い大気なのだろう。
2010年に「兎月夜」を描いてしばらくぶりの兎の絵だが、
兎の杵つきと正月を結び付けて描いたのは、今回が初めて。
瞳に赤を混ぜるかどうか思ったが、このようにした。
止まない戦地のウクライナからも月は見える。
どうか一刻も早く世界の紛争や利権争いが終結し、
暖かい世の中となりますように。
イラストのようです