『風と行き来し(Walk life with the wind.)』いちまいの絵5月

『風と行き来し(Walk life with the wind.)』
紙に交響(多種)水彩
25cm×33cm(額含まず)

http://www7b.biglobe.ne.jp/~artkomoto/index.html

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風の又三郎?が、温暖化で住処(氷)を失った白熊に飛力を与え、
高い空を、国境を次々と超えて移動(風と行き来)している。
上空は美しく星が瞬いているが、下方の大気はうねうねと、
怪しく重苦しい粒子に包まれている。
しかしその渦の消えた辺り・・もっと隠された内奥には、
美しい命の水が宿っているのかもしれない。

宮沢賢治が今生きていたら」と、ずっと思ってきた。
特に今、人類史危機的な状況になった世界・・COVID-19ウィルス、
温暖化、放射能汚染・・このままでは住めない星となるかも。
自然界の様々な声が聞こえ、生き物の思いに心寄せた賢治は、
今の世界をどう見、どんな作品を残すだろうか?

地球という生命体を、大家になった自分に置き換えてみると、
借り主が部屋を汚し続け、有毒なものを周辺に撒き散らし、
咲いていた花を故意に枯らしたりして、そのまま放置すれば、
貸していた部屋のみならず家そのものも、壊れてしまう場合、
その借り主である住人を、完全に追い出すだろう。
きつい表現だが、新型コロナが世界的な問題になったのも、
地球からの警告に思えるのだ。

5月6日連休までの緊急事態宣言も延長となり、
闇の渦の中にいるような社会。
明けない夜はない、終息するという希望を持つだけではなく、
終息後に再び、経済のみで地球を踏みつけにするならば、
今度はもっと強硬な手段?で、地球という大家さんは、
人類という借主を追い出そうとするかもしれない。
そんな思いを込めて完成させた。