『灯された火』

家に電気が消えると
人は蝋燭(ろうそく)を灯して
非常時を乗り切る。
その明かりは、蛍光灯のように平坦ではなく
暖かささえ感じる。



東日本大震災は、意味合いは異なっても
9.11と同様3.11として人々の記憶に刻まれることだろう。
被災者でない私も、津波で住居、クルマ、街そのものが
流されていく光景が、トラウマのように脳裏に焼きついている。



1000年に一度と言われる、この非常時
文字通り電気が途絶え
人々の心の燈、家の明かりも途絶えた。



暖かな『ろうそくの灯』が
癒しの花となって
やがて動き出して飛べるように
心からの願いを込めて描いた。
周りのチェック様式のように描いたものには
家や樹木などの 復興のイメージもある。



今月、父の17回忌を執り行った。
亡くなった父とは、身体では離散したが
今も自分と繋がっていると信じる。



離れ、寸断されたものが
灯され続ける暖かさによって
復興されることを
願い続けて止まない。