枯れ枝輝く


痩せても枯れても という言葉があるが
今年もこの枯れた木々の光景の季節が来た。
陽を浴びて チリチリと音を立てて
線香花火のように輝いている気がしてならない。

今年は、ようやく
レタス色に見える山たちへの自分の思いを
作品に仕上げることが出来た。
秩父に来て感激したことの一つ
セピア色の山が、レタス色に輝くひととき
新緑前の短期間
数年に渡って何度も描いたが、
なかなか思いを定着できなかった。

この枯れ木の細枝が冬の朝陽に輝く
ほんの数分のさまの思いは
いつ完成するだろうか。

毎日のように、アトリエ・ワタナベの個展に
足を運んでくださる方がいて感謝しています。
昨日は、横浜から観に来ていただいた方が
絵をご購入くださった。
制作も個展も、人のためにするものではないけれど
動いてくださる、観てくださる方がいなければ
成り立たない。その方々の視線が生み出す空気と
エネルギーが私に何かを気付かせる・・
冬の陽の、家から発つ湯気のように