大理石の月

大きな
萌え上がるような
羽がふくらむような
西日を浴びた
不思議な雲を見ていた。


しばらくして日が落ちて
今度は
群青色に山が染まり
空が蒼い幕となり
まん丸の
大理石のような
さらさらの表面に
兎のレリーフをしたような
それはそれは美しい月が
早摘みの檸檬(レモン)色に光った。



沖縄のサンゴは
台風が来ないと死滅してしまうらしい。
新たな水で活性化され、冷たい水に
根底から入れ替わる必要があるそうだ。
私は、こうした美しい空に出会うと
死滅しそうな
火照ってぼうっとした自分の感性が
内奥から洗われる黄がするのだ。