ゴーギャン展のただ1点


昨日は竹橋の近代美術館に行き、ゴーギャン展を観た。
中学校の頃に画集で見て衝撃を受けた絵
その生身の姿を、どうしても観たかったからだ。
3時間睡眠で寝不足だったが、昨日行かないと混雑がひどくなる

秩父からは片道約2時間・・電車で眠れば良い・・
放縦に騒ぐ子供たちの中でほとんど眠っていた。
順路と順番にそって観ている人を尻目に
私は、ただ1点の絵に向かった。
人だかりの後ろで待って、前の中心、右、左、そしてしゃがんで
合計30分ほど観ていた。
ゴーギャンが描いているリアルタイム・・ザッザッという筆を置く音
彼の汗、鼓動、この絵に染みこませた空気・・そうしたものを
少しでも体感したかったからだ。
彼が愛した 観光化される前のタヒチ
神を尊敬し、大地と樹木と豊かな実に感謝し、性の喜び
死と新たな命の巡り、神秘的な夜空、流れる風・・・

その後、他の作品と【ノア・ノア】のための版画などを観た。
彼は、ひたすら描いていた・・つまり
年に一回上野で発表するために間際に準備して描き、
あとは教室で教えるような今日の作家と違い
ずっと自らの絵を追求して描いている画家だったことがわかる。
私に言われている気がした・・
『もっと描けよ、お前にしか描けない絵を、ひたすら描けよ』。

『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』
画像はウィキメデイア コモンズより