山並みの影が濃くなってきた

久々に昼12時過ぎに、外で雲をスケッチした。
雲が ゆっくりと山並みを滑り、雲影は山の体を愛撫しながら
通り過ぎていく。
枯れ果てたセピア色の固い山肌から、柔らかい姿に変わるのを
待っていたかのように、彼方の海から発生した蒸気が
雲となって旅をしてきた。
調整池に、水鳥が帰ってきた。
プールサイドにいて、他の子供を見ている親たちが見える。
秩父は朝晩まだ寒いが、こうして少しずつ春の音を
聞かせてくれている。
作品は『旅のものですが』