月見だんごの憧憬


帰宅したパートナーが『月が綺麗だよ』と言った。
満月ではないが、それに近づいた 美しく明るい月。
見たかったなあと思ったら、山中とし子さんから電話があった。
『今日、月見のだんごを作ったからね、今届けるからね。』
暗い夜道を自転車で届けていただくなんて申し訳ない・・
帰宅したばかりのパートナーと、棟梁のお宅に行き、受け取った。
とし子さんは外で待っていてくださった。
電話のおかげで、共に月を見て、共に 混ざり物の無い手作りだんご
(しかも栗入りの餡子で秋を詰め込んだ)をいただくことが出来た。
小学校の頃、母親に作ってもらって以来ではないだろうか?
東京で 月よりネオンが、虫の声より電車や車の音が
迫ってくるようになると 少年の心の
大切な時間が置き去りにされたのかも知れない。
母には きっと苦労をかけたのだろうなあ。
でも、こうして秩父で、母親のように親切にしていたける方がいて
あらためて隆太郎さんに感謝しています。