ぽっかりと思い出すJAMA


約12年前の毎日新聞月刊誌のJAMA
表紙を飾ったのは【ぽっかり】
秩父太田の工業団地で描いたものをもとに
F30号、キャンバスに水彩系で描いた。
銀座個展デビュー、DMとなった絵。
的確なエッセイを書いてくださっている。

雲からの贈り物(抜粋)
香本博の絵を見た時、暮れなずむ空が薄い緑色に感じられたことを
思い出した。その時、なぜ緑色なのだろうと、
しばらく空をぼんやり眺めていた。今の生活は・・
人工的に作った快適な空間の中で行うもので(中略)
概念が出来上がると、もう【青い空】しか見えない。
・・香本博は五感を働かせ、プリズムのように
白い雲を虹色に分解してから、たくさんの色を使い
雲を組み立て直している。彼は中学の時 頸椎を痛めた。
それを機に絵を描こうと思ったという。
秩父・・に住む彼は【自然の移り変わりは、大らかなドラマを
見せられているようだ】と言っている。影響を受けた作家に
ゴッホがいる。・・【絵に対するひたむきさ、掛け値の無さに魅かれた】
今は、心に映った自然を描くことが仕事である。
高橋盛夫

[昨日の断片]160418