『空野原への階段』

いよいよ師走に入り、
本家ホームページの いちまいの絵が更新されています。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~artkomoto/1mai/1mai.html
『空野原への階段』
コットン紙に交響水彩 
(約400mmX500mm)

年を越せるだろうかと心配していた飼い猫フーが、
先月13日に息を引き取った。約10年間の生涯だった。
寒い冬の日に、他の猫と共に段ボールに入れられて、
放り捨てられたフーとの出会いは、何かの縁なのだろうか。

ブリーダーに叩かれたからか・・おびえて鳴きもしなかったが、
それでも私の所に駆け寄ってきた。
最初の感情を押し殺した表情は、やがて愛くるしい顔に変化し、
よく食べ、よく眠るので、長生きするなあと思っていたが、
急激に痩せて、カテーテルで食事を採らざるを得なくなった。
鼻や目に障害が出来ても、薬も、勝手が違っても、よくがんばった。

この絵は、フーが懸命に闘っているときに描いていた。
明日への階段、明日は来るよ・・そういう思いから描いていた。
しかし逝ってしまったので、あいつの軌跡も描いた。
本来なら、外の野原で駆け回り、陽を感じたかったろう。

フーと同じ箱で凍死していたアメショー猫は、
どういう関係だったかはわからないが、
空にある野原に上がって来れるように、尻尾を差し出している。
ちょっとイラスト的になってしまったが、
こういう表情を(フーは)していたのだ。

懸命に力を振り縛った表現での、カテーテルの覆い(ピンク衣)は、
実際はクリーム色なのだが、調整した。
たくさんの情報がありすぎるとは思うが、
あいつへの想い、オマージュでもある。

あっという間に、もう師走。
今年も、ホームページを見ていただきまして、
本当にありがとうございました。
ちょっと早いですが、来年もよろしくお願いします。
よいお年をお送りください。