残響 6月のいちまいの絵

『残響』
紙に交響水彩
八つ切りサイズ 個人所蔵

廃墟に魅せられる人がいる。
例えば、セメント工場跡地
例えば、通称・軍艦島(端島)
でも正直私は、そうしたものに殆ど興味がないし
描く気にもならない。
きっとその場所が、今と隔離されているからだろう。

この鉄橋・・昭和44年までは使われていた西武池袋線(単線)のもの。
複線になって、新たな鉄橋が出来て、お役目ご苦労となったのだ。

でも、この下の日陰の道を通る人は多く
私も好きだ。老鉄橋、リタイヤした鉄橋ではあるが
まだ現代の人々との接点があるからだ。

この鉄橋に風が舞うとき、何か現役の頃の電車が通過するような
そんな気さえさせてくれる。
そう、私の心に残響がコダマするのだ。