兼六園の苔と名曲喫茶と煉瓦と武家屋敷


自分は、盆栽が嫌いだ。理由は
不自然で、骨を無理やり曲げていて、本来のエネルギーを
感じないからだ。

日本に限らず、庭園の管理や造形には
目を見張り、凄いとは思うが
心に染みるものは感じない。
どんなに説得されても、そう感じるのだから仕方が無い。
でも根に積もる緑の雪のような
美しい苔の衣に ほっとする。

そこを出てから
渋い老舗の喫茶店に入る。
メニューは無くて、老マスターが口頭で
『珈琲、紅茶、トマトジュース』と語る。
渋い珈琲とクラシックの名曲が流れる店内に
無理やり作っていない空気に
癒される。

かつて日本の兵器工場だった建物らしいが
煉瓦には罪は無い。
渋く歳を経た煉瓦たちに瞑想する。

武家屋敷の通りも、実際に住んでいるところだったので
趣があった。
サムライ・スピリットは絵画にも必要と
私は思う。


[昨日の断片]130309