復活する夏

夏は梅雨とは違って
明確な 骨太の季節のはずだ。
今の夏は、私たち人類によって
バランスが崩された影響を多く受けている。
地球の怒りさえ感じる。
私が体感してきた ほんらいの夏を
勇姿を描きたかった。

今年の夏は夏でない・・

温暖化や異常気象の土俵で語られるのではない
放射能の影響で、子供の遊び声が消えた夏
裸足で走ることの風景が消えた夏・・
私に言わせれば、そんなものは夏ではない。

朝から入道雲
勇壮に力強く立ち上がり
強い日差しの太陽が、向日葵のごとく光線を延ばし
太い樹木
深い緑
盛んな蝉の鳴き声は
夕暮れに蜩(ひぐらし)の涼しい声に替わり

空一面にサラウンドのように雷太鼓が響き
必ず夕立の中をくぐってから帰った。

焼けた背中の肌を 皮を剥いてもらった。

雨は山に流れて川に注ぎ
海に注ぐ

豊かな循環の恩恵の中で
子供たちの歓声が聞こえた。

夜の夏の星は うるさいほど饒舌な瞬きだった。
それが私の思う 本来の夏だ。

復活して欲しい
夏が復活するような
本来の環境に戻ってもらわなくてはならない。

私たち自身のためにも・・・
そんな願いで描いた。