地に咲く笑顔

ようやく筆を置くことが出来ました


311M9の大震災から一ヶ月経った。
私の住む秩父は、震度5と発表されたが
場所によってはかなり上回っていて、
踏みしめている地の下が、海のように波打っている
不気味な感触で、私は、なすすべも無かった。

被災地に向ける放映メッセージの『いっしょに頑張ろう』?
起きたことが受け入れられず、まだ見つかっていない家族が
大勢いる方々に向かって、そんな軽々しいことは言えない。

この絵は、自分の心からの願いや思い・・
明日を築く子供たちが、健やかに育ってほしい・・
の印象をかたちにした。

人生の一つの結晶とも言える家や
思い出の品や街並み。
データも本も美術品も・・蓄積して積み上げたものが
一瞬のうちに流されて残骸となる悲劇。
そうした中で、自分が『絵を描く意味』を
この一ヶ月問いかけていた。

衣食住が滞る時『いま』に、著名な絵を体育館に提供しても
喜ばないだろう。
しかし、人は『ずっと歩んでいく』ためには、
精神をコントロールしたり、美しいもので高揚させたり
希望を持たなくては明日に進めない。

社会のためにということではなくても
自分が今、何を描いて発信すればいいかが
少し見えてきた気がする。

荒廃した地に流される優しさと涙・・
なんとか青葉が育ち、元気と笑顔の
黄色い花がたくさん咲いて
地球が立ち直ってほしい。
そんな思いで描いた。