SO LONG


家の近くの椿
こうして見ると土から出た花のようだ。
武士は、紋章に椿を好まなかった。
首ごと パサッと落ちるからだ。
映画椿三十郎で用心棒が名前を聞かれて
川に流れる 落ちた椿の花を見て
そうさなあ、椿・・椿三十郎とでも呼んでください と
語るのは いさぎよさ や 迎合しないといった
いろんな意味合いがあるのだろう。

昨日、久々に『ハリーとトント』をDVDで見た。
LDでは何度も見たが、ようやく出てくれたDVDだった。
老人ハリーが 愛猫トントの死の床で
安心できるように歌い、お別れだ 君よ と言うシーン。
1975年日本公開時には 場内が泣き声で包まれたという。

英文の字幕を見ていて、セリフの発音がはっきりしたのだが

ハリーは good by さようなら ではなく
SO LONG お別れだ (ずっと忘れない)と語っている。
愛猫を猫ちゃんとか 呼ばずに 君よと呼びかけている。


SO LONGと語る相手には、
いさぎよさや生き様を称える意味合いもあるかもしれない。
『ハリーとトント』の感想は、キネマ散歩に書きました。

これで思い出したのは
サイモンとガーファンクルの名曲
So Long, Frank Lloyd Wright
フランク・ロイドライトに捧げる歌 だ。

ここでも、ポール・サイモン
敬意を込めて 彼の死の10年後に作ったこの曲で
ずっと忘れない意味のことを語っている。

♪多くの建築家が現れては消えていった
 でもあなたは、自分の作風を貫いていった
 僕は、音楽家としての自分を見失った時は
 立ち止まって、あなたの事を思い出してみるんだ♪


私は mixyのコミュで フランク・ロイドライトに入って学んだが
彼が、帝国ホテルを作ったくらいしか以前は知らなかった。
落水荘や山邑邸(現 ヨドコウ迎賓館)など、
光や風や様々な自然の要素を大切にする作家だと知って
いつか訪ねてみたいと感じている。

彼は波乱万丈の生涯で 800もの建築作品を残した。
私は 生涯を閉じたときに
こう言ってくれる人がいるだろうか


SO LONG