てんとう虫ライフ

昨日は日中気温がかなり上がり、秩父の太田では
32度くらいにはなっていた。
下り坂を夕方、笑う足で歩いていたら、
てんとう虫が花の茎に留まっている。
10年近く前に秩父で個展を開き、その会場で描いていた習作
幼い子を連れた若い夫婦が、『それが描き終わるのはいつですか』と
数日後に現れて、是非にと求めてくださった。
今思うと、てんとう虫をもっと違う色で描けばわかりやすかったのだが
緑の中に『あ、ここにつかまっているんだ』と感激したのを
描きたかった。

少年の私が夢中に呼んだ、手塚治虫の『火の鳥 黎明篇 』
醜い顔で乱暴者の我王が、なぜか美しい妻を娶ることになるが
やがて彼女に対する嫉妬や疑いで殺してしまう・・・
死の間際に『私を覚えていますか?私はいつか 
蜘蛛に襲われそうになったときに
救われた てんとう虫です。
あなたには優しい面があるのです。』と
自分が恩返しに来たことを知らせる。我王は絶叫して泣き喚く。

そんなことを思い出した。


風もゆるやかで、このてんとう虫は大丈夫だろう。
残業のパートナーと飯能で合流する際、偶然
個展のご常連のTさんとお逢いし、共に楽しい夕餉をいただいた。
『てんとう虫ライフ』個人所蔵