土に落ちぬ枯葉

 
もうすぐ頬も和らぐ季節のはずが、
今朝は雪がチラつき、木枯らしが舞った。
もうすぐ肌も潤う季節のはずが、
枯葉が落ちたのは
カサカサのアスファルトだった。

柔らかい土に落ちて
生々しい地軸の音を聴きたかったのに。
もうすぐあふれ、沸騰する 
春の息吹と共に しびれたかったのに
そして、そうした土の一部になりたかったのに
還れない
冷たく無機質のアスファルトで自らの熱が奪われてしまう。
疲れて眠ってしまうと、その先には吹き溜まりが待っている。
眠るな!
風よ もっと冷え込め!私が目覚めるために!
地よ もっと私を揺さぶれ!
私が『生きていること』を思い出すように!
私が絵描きであるために。

作品は『葉もの語り(コート)』