朝焼けにナポリアイスの印象 #今週の香本博

ナポリアイスとシベリア朝焼け】
Neapolitan ice cream and the morning glow of Siberian impression.
紙に多種水彩

TOKYO YAESU T-BOX



明け方4時頃、窓が「明るい焼け色」に輝いていた。
飼い猫が「外に出せ」と鳴きわめくので出てみると、
とても懐かしい色合いの空が広がっていた。
朝焼けの階調(グラデーション)が、
不二家で売っていたナポリタンアイスクリームの印象だった。
不二家は幼少期に母がパフェをご馳走してくれた処。
自分も10代の一時期、高円寺不二家レストランで二足の草鞋をし、
3色のナポリアイスにあこがれて食べたっけ。
今も現役メニューとしてあるらしい。
昭和の人気メニューは緑鮮やかなクリームソーダだった。

母と言えば、この10月で七回忌となる。
通り過ぎる雲も、母の羽衣のように感じる。
自宅前のまだ暗い急坂。早くから我が家の猫に言い寄る、
横恋慕のブ男ならぬブ雄猫がドラ声で降りてくる。
なんだかシベリアという菓子に見えてきた。
帰国を願うシベリア鉄道のイメージで作られた食品だと、
なにかで読んだことがある(諸説あり)。

いまだ止まぬウクライナの戦争、
こんなファンタジックな夢を見られる世界であってほしい。

右下の森林が四つ足のモノノケとして描かれている。
ペコちゃんの舌をペロッと出して、
産物はネクターに欠かせない桃のようだ。