【朝が通過する踏切】と琴線(あるぴーの銀花ギャラリー)


この絵が発するもの(直球)を
ストレートにキャッチしてくださった少女・・
少女と言うより女性に近いが、同行の母親に
感動して【ねえ、これ、凄いよ】と・・。
とても嬉しかった。これだけでもさいたま市で展示して
良かった。

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【朝が通過する踏切】
東京からはじめて秩父に来たときの印象
寒い
傾斜道が多い
店が早く閉まる
過疎
不便

そんなアンダーなイメージだったが
私の心を根こそぎ連れ去ったのは
そんな秩父だからこその素晴らしい光景だった。
そのひとつが、朝のまばゆい光の屈折だ。

朝日が昇り、影が動く
横断歩道に交差して
チェックの柄が動く

冷えた空気が光の珠のように暖められる。

寒暖の急変で蒸気があがる

なんという光景

私は立ちすくんだ。
アンダーな冷えた砂漠のような感性に
一気に根っこから加熱を起こされたようだ。


朝陽と言う蒸気機関車
光と言う列車が
踏み切りを通過する


秩父鉄道は、もともと人ではなく
武甲山から採掘した石灰を運ぶために出来たと聞いている。
石灰が、現在ベルトコンベアーで主に運ばれるようになって
人を乗せる車両が主になったが
本数は極端に少なく
1時間に1本か2本程度。
運賃も、西武鉄道の倍以上する。
今は、観光用に土日祝日のみに蒸気機関車C58363が走る。

今でも 秩父
寒い
傾斜道が多い
店が早く閉まる
過疎
不便
それは変わらない。

でも 私の中の秩父
美しい郷なのだ。

今も私の耳には
踏み切りを 朝が通過する音と振動が聞こえている。


http://www7b.biglobe.ne.jp/~artkomoto/koten/20170513.html

[昨日の断片]170515