飛べない今日 明日への翼

無数の翼が群生して
羽ばたこうとして場所が見出せず
バタバタ ガサガサと 翼の摩擦する音が聞こえる
翼の擦り音・・
この空を3年前に見たときに そう思った。
自分自身を 飛べなかった今日の夕方に 投影したのだろう。
痛んだ羽を持った男のシルエットは赤
それは生々しい時間を持った血の色
それとも夕日に投影された決意の挽歌の色だろうか。
飛ばなかったけど、バタバタともがいたのだ。
それは いつかの明日へつながるはずだ。
ようやく昨日、この絵は自分の抱いた印象で完成した。
一昨年別の形で展示したが、しっくりいかず、しならく眺めていた。
このところずっと自分が もがき続けていたからこそ
実感が続いて完成したのだろうと思う。
ありがとうと、この絵に言いたい。