父の日に亡き父を想う

父親が子を見つめているような雲?

父の日に見た空だ。

父は30年以上前に61歳で他界した。

自分は来月69歳となる。父より8年も長生きしているのだ。

若い時から野菜嫌いで甘いもの、脂系好きだった父は、

糖尿病から腎不全になり、心筋梗塞を併発し、
人工透析患者となって、入退院を繰り返し、
そのまま病院で息を引き取った。

人一倍食べることが大好きだった父が、
最後まで、タイ米時代の減塩・カリウム抜き・病院食だった。
「お父さんが食事を拒否するので困っています。」
病院からの連絡で、何度も仕事帰りに面会に行った。
がんばって食べて、退院できるようになってほしい・・
そんな思いから、きつい言葉も父に吐いた。

父の最後を看取り、病院から葬儀屋の車に同乗、父と共に実家に戻った。
一人だけになってから、こみ上げる思いを抑えられず、自分は大泣きした。
近所中が起きるのではないかというくらいの絶叫で・・。

 

その後描いた父の肖像画には、緑葉の樹木(実家のあった小平市)が
背景となった。幼い頃私に作ってくれた紙飛行機が、優しい風に泳ぐ。
手前のテーブルには、晩年「この世で」食べられなかった、
父の好物を並べて描いた。ご飯も釜で炊いた特産米にした。
ご満悦の父の食卓は「あの世の」ものだが、
もう痛みも苦しみも多くの薬もない。

この絵を発表した際、批判する人もいた。
こんなプライベートすぎる絵は、展示じゃなくて、
家族にプレゼントすればいいんだと。
でも私は、個人的な内奥の思いが無くて、なにが絵だと、
今でも思っている。

これを今月の絵に選んだ理由は、たぶんコロナ渦中だからだろう。
持病を持つ年配者への思いもあったかもしれない。

『天国の食卓~亡き父へ~』Heaven's Dining Table-To the Dead Father-
キャンバスに油彩など。 約440×530mm(額込み)